婦人科がん検診について
当クリニックの婦人科がん検診では、「子宮がん検診」と「乳がん検診」、および「大腸がん検診」(一次)をそれぞれ行っております。
がんを早期発見・早期治療するために、当クリニックの婦人科がん検診を受け、ご自身の命と健康を守りましょう。
子宮がん検診
子宮頸がん検診
子宮頸がんは女性特有のがんとしては、乳がんに次いで罹患率が高く、特に20~30代のがんでは第1位となっています。日本では、毎年約10,000人もの女性が新たに子宮頸がんに罹り、約3,000人が子宮頸がんで亡くなっています。大体、1日に約10人の方が亡くなっている計算になります。
しかし、早期に発見すれば、早期の治療により治癒する可能性が大きいので、そのためにはとにかく定期検診が大切です。細胞診で異常が出た場合は、HPV検査(子宮頸がんの原因となる高リスク型のヒト・パピローマウィルス(HPV)への感染を調べる検査)、および組織診がそれぞれ不可欠です。
子宮体がん検診
日本では、子宮体がんに新たに罹患する人は推定年間毎年11,000人で、約2,000人が子宮体がんで亡くなっています。大体1日に6人の方が亡くなる計算になります。
子宮体がん(子宮内膜がん)は、決して治りにくいがんではありません。早期に発見し、病気が子宮にとどまっているうちに治療すれば、80%以上の方で治癒が期待できます。
早期発見のためには、超音波検査、子宮鏡検査、細胞・組織診断が大切です。
乳がん検診
乳がん検診の方法には、視診・触診、超音波検査、マンモグラフィ検診などがあります。以下、それぞれについてご説明いたします。
視診・触診
乳房全体を目で見て(視診)、あるいは手で触れること(触診)によって乳房の形、皮膚、乳頭などに異常は無いか、またしこりなどが出来ていないかを確認します。脇の下や鎖骨上のリンパ節についても調べます。
専門医なら、しこりの有無やその状態を触診することによって、「乳がんかどうか」がある程度は推察できます。
自分では見つけられないような小さなしこりが発見されることもありますので、30歳を過ぎたら、年に1回は専門医による定期的な検診(視診・触診)をお受けになるよう、お勧めいたします。
超音波検査
診察台の上に仰向けになり、乳房に超音波をあてて、乳房内部からの反射波(エコー)を画像化し、乳腺の状態を調べる検査です。乳腺は白く、がんは黒く描出されます。痛みは無く、体への負担はほとんどありません。数ミリの小さなしこりを見つけ、しこりの性状も詳しくわかる検査で、X線検査のような被爆が無いため、妊娠中の検査も安全に行えます。ただし、細かい石灰化(カルシウムの沈着)や性状および範囲は確認できません。石灰化の良・悪性の判別に関しては、マンモグラフィの方が優れています。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィは乳がんの早期発見のために、乳房をX線で撮影する乳がん検診機器です。少ない放射線の量で、安全に乳がんの検出ができます。30代以降になると、乳がんに罹患する女性が急増してきますので、30代以上の女性にはマンモグラフィも併用した乳がん検診を受けていただくのが望ましいところです。他の多くのがんと同様に、早期発見・早期治療をすれば、乳がんも今や治るがんと言えるからです。
マンモグラフィ検査(乳がん検診)について
検査台にのせた乳房を圧迫し、薄く(4~5cm)平らにして撮影するので、多少の痛みを伴う場合があります(個人差があります)。しかし、マンモグラフィ検査中ずっと長く圧迫しているわけではなく、せいぜい数秒から10秒くらいです。
また、マンモグラフィ検査を併せて行った乳がん検診は、視・触診や超音波検査のみの検診に比べ、概ね2~3倍の確率で乳がんの発見が可能になると言われますので、ぜひマンモグラフィ検査も受けていただきたいと考えます。
マンモグラフィなら授乳中にも検査が行え、妊娠中の場合は腰にプロテクター(X線防護衣)を装着して撮影します。月経前は乳房が張って若干痛みを感じやすくなる方もおられますので、受診の際、気になる方は医師にご相談ください。
マンモグラフィ検診に当たっての注意事項
下記の項目に当てはまる方は、事前にお申し出ください。
- しこりを触れたり、違和感を覚える箇所があったりする方
- 妊娠中、授乳中の方
- ペースメーカーなどを利用している方
- 豊胸手術を受けたことのある方
大腸がん検診
大腸がんの死亡数は男女共に増加傾向にあり、今後も増えることが予想されています。しかし、大腸がんは早期に発見して治療すればほぼ治癒が可能ですので、大腸がん検診を受けて大腸がんから命を守りましょう。
当クリニックでは、大腸がんの一次検診(スクリーニング検査)を行っております。
大腸がんの一次検診の内容は、「問診」および「便潜血検査」(便潜血検査二日法)です。
便潜血検査
便が大腸内を移動している間に、がんやポリープなどと接触することによって生じた出血の有無を調べる検査です。非常に簡単な上、侵襲(身体的な負担)の無い検査ですが、目に見えないわずかな量の出血まで感知し、科学的に「大腸がんによる死亡率を減少させる」ことが証明されている検査法です。年に1回の受検をお勧めいたします。